この競技はもともと中の仕切りはただの壁であった
力技でピンポン玉をぶん投げまくるロボットにロマンを感じた一人の男は
来る日も来る日も試行錯誤を繰り返した
そして
ついに完成したロボットは巨大な鉤爪を双方に用い、高速回転によりピンポン玉を飛ばしまくる驚異の機構が備わっていた
人々は恐れおののき、このロボットをこう呼んだ

"デビルクローザー"


もう我々の勝利は確定したかに見えた

しかし

ただの壁であった仕切りに坂が取り付けられた
それによって力づくでピンポン玉を弾きまくる戦法が圧倒的有利な競技へと変わってしまった

ロマンはどこだ

男の嘆きも虚しく、経済学者の新戦法提唱(これが後に台風弐号を生み出すきっかけとなったのだが)により、
不要になったデビルクローザーは解体され、男のロマンは砕け散った

すべては勝つためだ

男はそう自分に言い聞かせることにしたのであった




あれから数年

男は今も新たなロマンを求めて歩き続けているに違いない…